業績好調! “後発”のやよい軒が業界トップになれたワケ
6/13(火) 7:10配信定食専門チェーン「やよい軒」が好調だ。年商は300億円(2017年2月期決算)を数え、前期比5.5%増と好調をキープ。店舗数は前年より56店増えた。
現在、国内で331店を展開しているが、目標の500店に向けて視界は良好だ。なお、海外186店を含めると計517店となっている。
他の有力2社の定食専門チェーンを見ると、大戸屋ホールディングスが展開する「大戸屋ごはん処」の年商は256億円(17年3月期決算)で、店舗数は国内直営店146店、国内FC店202店、海外直営店13店、海外FC店80店の計441店。
フジオフードシステムが展開する「まいどおおきに食堂」の年商は120億円で、店舗数は国内直営店139店、国内FC店290店、海外直営6店の計435店となっている。
従って、やよい軒の国内の店舗数331店は、まいどおおきに食堂の429店、大戸屋ごはん処の348店に次ぐ第3位。海外を含めると517店のやよい軒が、最大の店舗数を持つ定食専門チェーンということになる。
04年に東京・四谷に1号店をオープンしたやよい軒は、大手3社のうちで最後発ながら、今や業界をリードする存在に成長した。
ではなぜ、やよい軒は比較的短い期間で、業界トップクラスにまで成長できたのか。
●「ほっともっと」で培ったリソースを活用
やよい軒は昔ながらの食文化「一汁三菜」(ご飯に主菜1品、副菜2品)にのっとり、お手頃な価格で日常食を提供するチェーンとして人気が高い。定食は630円からあり、ご飯お代わり自由、漬物取り放題と太っ腹なシステムが集客を支えている。
ご飯は自社精米した国産100%の「金芽米」を使っており、競合チェーンと明確に差別化された強みとなっている。
やよい軒を運営するプレナスは中食チェーン「ほっともっと」も展開している。成長の要因としては、このほっともっとで培ったリソースを活用できた面が大きいだろう。ほっともっとは全国に2666店(2017年5月末現在)もの店舗網を持っており、年商は1075億円(17年2月期)を有している。この購買力をもってすれば、食材の大量仕入れでコストを下げられるのは言うまでもなく、競合他社よりもはるかに有利だ。
また、プレナスは93年にジャスダックに上場しており、02年には東証1部に昇格している。信用力から店舗物件取得や金融面でも有利に運べる。食品を加工する工場も、物流の配送システムも、店舗開発やメニュー作成の人材も、ほっともっとで培った蓄積がそのまま生かされている。
つまり、中食と外食の業態の違いはあっても、店内調理で注文を受けてから作る、手づくり感覚の食を扱う専門店であることは変わりがなく、「人、物、金」全ての面で、シナジー効果を生んでいる。
競合のフジオフードシステムも他ブランドを展開しているが、プレナスのようなリソースの有効活用ができていない。まいどおおきに食堂が基本的に路面店であるのに対して、第2のブランド「串家物語」は商業施設の串揚げの店、第3のブランド「かっぽうぎ」は居酒屋と、業態もターゲットも全く異なるからだ。
それに対して、やよい軒とほっともっとは、同じ食材を使って、外食と中食に振り分けているケースが多く、似たようなメニューも散見される。ターゲットもほぼ変わらないため、リソースを有効活用しやすいのだ。
また、物流センターと工場も一体となっており、食品加工では、福岡県と埼玉県に精米工場、食肉加工工場、調味料工場を併設。物流センターを併設することで、配送の時間的ロスをなくし、物流コストを削減。食材を新鮮な状態で店舗に届けるシステムを確立している。
プレナスは、自ら精米を行っており、やよい軒、ほっともっとなど同社店舗で消費される米は、日本でつくられた0.5%(4万トン)に達するという。100%国産を貫いており、北海道、岩手県、山形県、宮城県、新潟県、富山県、石川県、長野県、千葉県といった産地から、「種子証明書」で銘柄が特定された種や苗から育てられた米を調達。
炊き立ての味わいを大切に、どんなおかずとも相性が良い、飽きの来ないさっぱりとした味わいを実現している。
●ファミリーやママ友の集まりにも対応
やよい軒の人気の高まりには店舗の改装効果も寄与している。初期の店舗は、学生やサラリーマンが来るような安価な男性向けの定食屋風情であったが、次第に女性やシニア世代を意識した、和風モダンなデザインに変更されていった。
メニューもカロリー重視からヘルシーな方向にかじを切り、季節感、郷土の食を意識した期間限定メニューが登場してきた(この改革は競合する大戸屋の後追いに見える側面は否めなかったが)。
最新のリニューアルではローマ字「YAYOI」のロゴが目立つ店舗に、さらに改装が進んでいる。和風モダンな基調は変わらないものの、ゆったりと座れる4人席が増えて、ファミリーやママ友の集まりにも対応する仕様になった。喫茶や、ちょい飲みの需要も取り込めるファミレス的な店に進化している。
メニューで1000円を超えるややリッチなハンバーグやカルビ焼肉の定食を強化しているのは、ファミリーを意識してであろう。これは大戸屋が開拓しつつあるものの、現状では成功し切れていない客層である。
●独立支援で成長加速
2014年からFC(フランチャイズ)展開を本格化させたことも、成長のエンジンとなっている。FC店は5月末現在で79店にまで増えた。そのうち、プレナス独自のユニットFC店が72店を占める。ユニットFCとは直営店を引き継いで低資金で独立開業できるシステムで、研修を経た後に、設備やスタッフがそろった状態で経営が始められる。
同社によれば、レストランを開く場合、通常は開業資金が約8000万円必要だが、約10分の1の約820万円で開業できるという。ほっともっとではFC店1489店中ユニットFC店が936店あり、効果は検証済みの制度である。
それに加えて、やよい軒では55歳以下の人を対象に、直営店の1店舗を引き継いで開業資金0円で始められる、パートナーチェーン制度を始めた。外食が人材を確保するのが難しい時代、開業資金0円のインパクトでやる気のあるオーナーがどれだけ集められるか、注目される。
引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000003-zdn_mkt-bus_all
コメント1
ライスおかわり自由なのが大きいと思う
コメント2
ここ食べ放題なのに米がうまい。
コメント3
やよい軒、うちの近くにもできればねえ…(´・ω・`)
管理者コメント
メニューの豊富さ、お手頃な価格、味と利用者が満足できるサービスだから
人気になったのでしょうね。
一度行ってみたいところです。
他の有力2社の定食専門チェーンを見ると、大戸屋ホールディングスが展開する「大戸屋ごはん処」の年商は256億円(17年3月期決算)で、店舗数は国内直営店146店、国内FC店202店、海外直営店13店、海外FC店80店の計441店。
フジオフードシステムが展開する「まいどおおきに食堂」の年商は120億円で、店舗数は国内直営店139店、国内FC店290店、海外直営6店の計435店となっている。
従って、やよい軒の国内の店舗数331店は、まいどおおきに食堂の429店、大戸屋ごはん処の348店に次ぐ第3位。海外を含めると517店のやよい軒が、最大の店舗数を持つ定食専門チェーンということになる。
04年に東京・四谷に1号店をオープンしたやよい軒は、大手3社のうちで最後発ながら、今や業界をリードする存在に成長した。
ではなぜ、やよい軒は比較的短い期間で、業界トップクラスにまで成長できたのか。
●「ほっともっと」で培ったリソースを活用
やよい軒は昔ながらの食文化「一汁三菜」(ご飯に主菜1品、副菜2品)にのっとり、お手頃な価格で日常食を提供するチェーンとして人気が高い。定食は630円からあり、ご飯お代わり自由、漬物取り放題と太っ腹なシステムが集客を支えている。
ご飯は自社精米した国産100%の「金芽米」を使っており、競合チェーンと明確に差別化された強みとなっている。
やよい軒を運営するプレナスは中食チェーン「ほっともっと」も展開している。成長の要因としては、このほっともっとで培ったリソースを活用できた面が大きいだろう。ほっともっとは全国に2666店(2017年5月末現在)もの店舗網を持っており、年商は1075億円(17年2月期)を有している。この購買力をもってすれば、食材の大量仕入れでコストを下げられるのは言うまでもなく、競合他社よりもはるかに有利だ。
また、プレナスは93年にジャスダックに上場しており、02年には東証1部に昇格している。信用力から店舗物件取得や金融面でも有利に運べる。食品を加工する工場も、物流の配送システムも、店舗開発やメニュー作成の人材も、ほっともっとで培った蓄積がそのまま生かされている。
つまり、中食と外食の業態の違いはあっても、店内調理で注文を受けてから作る、手づくり感覚の食を扱う専門店であることは変わりがなく、「人、物、金」全ての面で、シナジー効果を生んでいる。
競合のフジオフードシステムも他ブランドを展開しているが、プレナスのようなリソースの有効活用ができていない。まいどおおきに食堂が基本的に路面店であるのに対して、第2のブランド「串家物語」は商業施設の串揚げの店、第3のブランド「かっぽうぎ」は居酒屋と、業態もターゲットも全く異なるからだ。
それに対して、やよい軒とほっともっとは、同じ食材を使って、外食と中食に振り分けているケースが多く、似たようなメニューも散見される。ターゲットもほぼ変わらないため、リソースを有効活用しやすいのだ。
また、物流センターと工場も一体となっており、食品加工では、福岡県と埼玉県に精米工場、食肉加工工場、調味料工場を併設。物流センターを併設することで、配送の時間的ロスをなくし、物流コストを削減。食材を新鮮な状態で店舗に届けるシステムを確立している。
プレナスは、自ら精米を行っており、やよい軒、ほっともっとなど同社店舗で消費される米は、日本でつくられた0.5%(4万トン)に達するという。100%国産を貫いており、北海道、岩手県、山形県、宮城県、新潟県、富山県、石川県、長野県、千葉県といった産地から、「種子証明書」で銘柄が特定された種や苗から育てられた米を調達。
炊き立ての味わいを大切に、どんなおかずとも相性が良い、飽きの来ないさっぱりとした味わいを実現している。
●ファミリーやママ友の集まりにも対応
やよい軒の人気の高まりには店舗の改装効果も寄与している。初期の店舗は、学生やサラリーマンが来るような安価な男性向けの定食屋風情であったが、次第に女性やシニア世代を意識した、和風モダンなデザインに変更されていった。
メニューもカロリー重視からヘルシーな方向にかじを切り、季節感、郷土の食を意識した期間限定メニューが登場してきた(この改革は競合する大戸屋の後追いに見える側面は否めなかったが)。
最新のリニューアルではローマ字「YAYOI」のロゴが目立つ店舗に、さらに改装が進んでいる。和風モダンな基調は変わらないものの、ゆったりと座れる4人席が増えて、ファミリーやママ友の集まりにも対応する仕様になった。喫茶や、ちょい飲みの需要も取り込めるファミレス的な店に進化している。
メニューで1000円を超えるややリッチなハンバーグやカルビ焼肉の定食を強化しているのは、ファミリーを意識してであろう。これは大戸屋が開拓しつつあるものの、現状では成功し切れていない客層である。
●独立支援で成長加速
2014年からFC(フランチャイズ)展開を本格化させたことも、成長のエンジンとなっている。FC店は5月末現在で79店にまで増えた。そのうち、プレナス独自のユニットFC店が72店を占める。ユニットFCとは直営店を引き継いで低資金で独立開業できるシステムで、研修を経た後に、設備やスタッフがそろった状態で経営が始められる。
同社によれば、レストランを開く場合、通常は開業資金が約8000万円必要だが、約10分の1の約820万円で開業できるという。ほっともっとではFC店1489店中ユニットFC店が936店あり、効果は検証済みの制度である。
それに加えて、やよい軒では55歳以下の人を対象に、直営店の1店舗を引き継いで開業資金0円で始められる、パートナーチェーン制度を始めた。外食が人材を確保するのが難しい時代、開業資金0円のインパクトでやる気のあるオーナーがどれだけ集められるか、注目される。
引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000003-zdn_mkt-bus_all
コメント1
ライスおかわり自由なのが大きいと思う
コメント2
ここ食べ放題なのに米がうまい。
コメント3
やよい軒、うちの近くにもできればねえ…(´・ω・`)
管理者コメント
メニューの豊富さ、お手頃な価格、味と利用者が満足できるサービスだから
人気になったのでしょうね。
一度行ってみたいところです。
コメント